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獣医師 Kさん

INTERVIEW

獣医師 Kさん

画像診断の先生からの誘いがきっかけで

ゼロから入院科を立ち上げる。専門科の枠を超えた「つながり」が、重篤な命を救う原動力になる

京都動物医療センターに入職されたきっかけを教えてください。

前職の夜間救急から、新設される「入院科」の立ち上げメンバーとしてお声がけをいただきました

以前から親しくさせていただいていた画像診断の先生から、「今度、京都動物医療センターで新しく入院科を新設して立ち上げるから、一緒にゼロから作っていかないか」とお誘いをいただいたのが一番のきっかけですね。それまでは別の病院の夜間救急の現場で数年間働いていたのですが、ちょうど自分の中で色々と思うところがあって、次のステップを考えていたタイミングでもありました。

正直、二次診療の現場と聞くと、最初は「自分なんかが行って大丈夫だろうか」「よほど専門的な知識や特化した強みがないと通用しないんじゃないか」という不安やプレッシャーもありました。ですが、お声がけくださった先生が「フォローはしっかりするから、思い切ってやってみないか」と本当に力強く背中を押してくださって、それなら挑戦してみようと決意できました。

実際に入職してからは、入院室の環境づくりや必要な設備、動線の確保まで、本当に何もない状態から一緒に仕組みを作っていくことができました。病院自体は歴史がある場所ですが、新設される科のスタートラインに立ち上げメンバーとして関われたことは、自分にとってもすごく新鮮で大きな経験になりましたし、何より日々の業務がとても楽しかったのを覚えています。

獣医師 Kさんの仕事風景

日々のお仕事の中で、特に嬉しかったことややりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

一次診療では対応が難しい重症患者を、チーム一丸となって無事に退院まで導けたときです

私たちが担当している入院科は、各専門科で手術を終えた子たちの術後管理や、内科治療を行っている子たちの入院管理全般を担っています。二次診療という特性上、時には一次診療のホームドクターの先生方ではこれ以上の対応が難しいというような、命に関わる非常に重篤な状態の症例が送られてくることも少なくありません。

そうした、一時は「本当に助かるだろうか」と思ってしまうほどの重症の子たちが、私たちの治療や管理によって少しずつ状態が安定し、無事に退院の日を迎えられた瞬間は、やはり何物にも代えがたい嬉しさがありますね。当院を無事に退院して、またかかりつけの先生のもとで継続して診てもらえるレベルまで回復させられたときは、この仕事をしていて本当に良かったと心から実感します。

また、この仕事は絶対に私一人の力では成り立ちません。入院中の動物たちの状態を一番近くで、メインになって細かく見てくれているのは看護師さんたちです。看護師さんたちと常に密なコミュニケーションを取り、お互いに気づいたことをアップデートしながら、一つのチームとして一致団結してその子の命を救い出せたとき、チーム医療の本当の面白さややりがいを感じます。

獣医師 Kさんの仕事風景

京都動物医療センター(二次診療)で働く上で、どのような人が向いていると思いますか?

自分の専門分野だけに固執せず、人と人、専門科同士の「つながり」を大切にできる人です

二次診療というと「一つの技術をゴリゴリに極めたい専門特化型の人」が集まるイメージがあるかもしれません。もちろんそれも大切な要素ですが、私が兼務している「総合診療科」や「入院科」というセクションにおいては、特定の分野にとらわれずに広く興味を持ち、何より各専門科の先生方との「コネクションを繋げられる人」が向いていると感じています。

例えば、入院科で整形外科の先生から預かっている患者の子がいたとして、診ているうちに「実は心臓の数値も少し怪しいな」と気づく場面があります。その時に、担当である整形の先生だけに固執するのではなく、自分でフットワーク軽く循環器の先生にもアプローチして意見を仰ぐような柔軟さが必要です。総合診療科も同様で、「どこを受診していいか分からない」という症例を最初に受け止め、適切な専門科へパズルのように振り分けていく役割を持っています。

一人の獣医師が学べる知識や技術にはどうしても限界があります。だからこそ、院内にいる優秀な各科のスペシャリストの先生方、そして現場を支える看護師さんたちと上手く人間関係を築き、人と人とのつながりを大切にしながらベストな治療へと導けるコミュニケーション能力がある方は、当院の環境にすごく合っていると思いますし、大きく成長できると思います。

獣医師 Kさんの仕事風景