
INTERVIEW
愛玩動物看護師 Yさん
一次・二次両方の医療が学べる環境に惹かれて
ギャップのない職場で、死に物狂いで掴んだ看護師としての「五感」。24時間体制の集中治療を乗り越えた先に、一生モノのやりがいがある
新卒で入職された理由と、少し変わった病院の選び方をされたとお聞きしたのですが、詳しく教えてください。
一次・二次併設の豊富な症例に惹かれたのはもちろん、「入職後のギャップが一番なさそうな安心感」が決め手でした
私は新卒としてこの病院に飛び込んで、今年で3年目になります。学生の頃から「とにかく看護師としてのスキルレベルを向上させたい、技術を高めたい」という強い思いがあり、就職先を探していました。当院は一次診療の街の病院としての役割と、高度医療を行う二次診療の施設が併設されているので、双方の現場でしか学べないものを贅沢に吸収できること、そして何より専門科診療が非常に豊富で、幅広い症例を新卒のうちからたくさん目にすることができる点に強く惹かれて入職を決意しました。
実は就職活動中、色々な動物病院へ見学や実習に行っていたのですが、正直どこに行ってもいまひとつ「ここだ!」とビビッとくるものがなかったんです。そこでちょっと面白い視点に変えて、「良いところも悪いところも含めて、事前の想像と入った後のギャップ(差)が一番なさそうなところを選ぼう」と考えました。「ここは凄く良さそう!」と期待しすぎて入った後にガッカリしたり、逆に「ここはダメだな」と思って入った現場が実は良かったりというような、入職後の気持ちの浮き沈みや変化をできるだけしたくなかったんです。
実際に当院に入って3年間働いてみて、その狙いは大正解でした。本当に「こんな感じかな」と自分が事前に思い描いていた通りの雰囲気や業務内容のままで、ギャップを一切感じることなくスムーズに働き始めることができました。キャリアのスタートとしても、最初の1年間は病院の全体像を掴むために、特定の科に絞らず色々な専門科をローテーションでぐるぐる回らせてもらえます。一通りの検査の準備や処置の保定に一人で入れるようになるまでじっくり練習を積ませてもらい、2年目から本格的に専門科へ配属されるという流れだったので、新卒の私にとっては本当にありがたい環境でした。

現在はどのような業務を担当されていますか?また、これまでに一番大変だったエピソードも教えてください。
週4日の入院管理と週1日の腫瘍科を兼務。24時間体制の人工呼吸器管理をチームで繋ぎ止めた経験は、今でも大きな財産です
現在は、入院科に週4日、腫瘍科に週1日のペースで配属されています。腫瘍科では主に外来で継続して通院される飼い主様とワンちゃんのサポートやコミュニケーションを担当していますが、メインとなる入院科では、朝から夕方、時には夜間を通して重症な子たちの入院管理を任されています。新卒で入ったので、最初は本当に右も左も分からず、知識も技術も追いつかなくて、とにかく「やる気と根性だけで死に物狂いで先輩たちに食らいついていった」という感じの毎日でした。
その中で、これまでに一番体力的にも精神的にも過酷だったのが「ベンチ管理(人工呼吸器管理)」を経験した時です。自分でうまく呼吸ができなくなってしまった重篤な患者の子に対して、24時間ずっと人工呼吸器をつなぎ、スタッフみんなでバトンリレーのように命のバトンを繋いでいく管理方法です。朝から夜まで誰かが付きっきりで見守り、夜から朝までの夜間帯も別のスタッフに引き継いで、何日も何日もかけて状態を管理します。管を入れる挿管から、自発呼吸を促すために管を抜く奪還(抜管)までの一連の流れは、一瞬の油断も許されず、体力も頭も常にフル回転させるためとてつもないエネルギーを消費します。
当院に来てから、ある重症の子を一週間つきっきりでベンチ管理したことがありました。本当に大変な日々でしたが、私たちのチーム治療と周囲の獣医師の先生方の手厚いフォローのおかげで、その子は奇跡的に危機を脱し、今では普通に元気な姿で生きてくれています。その元気に走り回る姿を今でも目にするたびに、「あの時、諦めずにみんなで頑張って本当に良かった」と、看護師としての最高のやりがいと、鳥肌が立つような大きな感動を実感しますね。また、こうして日々入院管理にどっぷり浸かっているおかげで、動物たちのわずかな変化を察知する「五感(勘)」がもの凄く鋭くなりました。これは知識だけでなく、圧倒的な経験値を踏んできたからこそ身についた私の大きな成長だと思っています。

京都動物医療センター(二次診療)の看護師として、どのような人が向いていると思いますか?
必要なのは事前の知識ではなく「社交性と根性」。器の大きな頼れるベテランの先輩たちが、あなたの挑戦を待っています
当院にはどうしても命の瀬戸際にいるような、非常に重症度の高い動物たちがたくさんやってきます。そのため、優しさのあまり患者の子に過度な感情移入をしすぎてしまうタイプの方だと、少し精神的に病んでしまう部分があるかもしれません。だからこそ、どこかで一歩引いてプロとして向き合えるタフな「体力」と「根性」がある人が、この現場には一番向いているなと感じます。
また、専門科が多くて出勤しているスタッフの人数も非常に多いため、チーム医療を円滑に進めるための「協調性」や「社交性」はとても大切になります。よく学生さんから「今のうちに何を勉強しておけばいいですか?」と聞かれるのですが、私はいつも「とにかく今のうちに色々な人と関わって、社交性を身につけておいて!」と答えています。なぜなら、医療の専門知識や技術なんて、働き始めてからいくらでも身につけることができるからです。
実は現在、当院の看護師メンバーの中で私が一番年齢が下で、今年で23歳になります。周りの先輩たちは20代後半からそれ以上の経験豊富なベテランばかりなのですが、みなさん本当に落ち着いていて器が広く、ノリが良いフレンドリーな方ばかりです。仕事での最低限のルールや関わり方をしっかり守っていれば、プライベートの話も含めてすぐに打ち解けられますし、人間関係の面ではこれ以上ないくらい働きやすい環境が整っています。中途の方で「もっとたくさんの症例を見てスキルアップしたい」という方はもちろん、新卒の方でも、頼りがいのある大先輩たちが全力であなたをバックアップして、一から丁寧に育ててくれるので、ぜひ安心して私たちのチームに飛び込んできてほしいです!



